2021/08/21
温度計センサーの原理はどのようになっているのでしょうか。温度計センサーと言っても実物を見たことなどないので想像することが困難という人もいるかもしれませんが、私たちの身近にある非常に良い例があります。それは電子体温計で、これはどんな家庭にも1本はある極めて分かりやすい温度計センサーの例と言えます。もちろん、電子体温計の内部は一般の人にはブラックボックスそのものには違いありませんが、ボタン型電池が使われていたり液晶画面があったりすることからも、何か電子的な仕組みになっているに違いないと想像することはできます。
ただ、確かにその原理は一般の人にはまず縁のない仕組みというか、学校で習ったりするようなものでないことは確かでしょう。これは、ある種の半導体がその中心位置を占めています。ある種の半導体は、その温度によって電気抵抗が変わることが知られているのです。予めその特性を把握しておき、何度のときにどれくらいの電気抵抗を示すか、逆にどの程度の電気抵抗を示したときには何度なのかを確認し、そのデータや計算のための数式をマイコンチップに組み込んでおきます。
そうすると、回路に流れる電気抵抗を測定すれば、即ち温度を知ることができるという仕組みです。これは実用上全く問題ないくらいに精度を高めることもできますし、電池一つで十分に長い期間にわたって動作させることもできますから、体温計にもその原理が用いられています。